こだわりの素材と製法
~ローマイヤー製法~
ヤギシタハムは、1920年代の伝統的な古い製法、そして長期間に及ぶ塩漬け熟成、乾燥、そしてゆったり燻煙するこだわりの製法によって生まれます。
一般的な「加工品」のイメージとはかけ離れた、素材そのものの美味しさを味わえるハム。良質な肉を伝統の技法で時間と手間をかけてつくった手づくり本格高級ハム。
それが、「ヤギシタハム」です。
アウグスト・ローマイヤー(August Lohmeiyer 1892-1962) ドイツ・ブレーメンで食肉加工の修業を行ったドイツ人マイスター、アウグスト・ローマイヤは、ドイツの租借地であった青島市から第一次世界大戦後にドイツ人捕虜として日本へ連行されました。収容所で、食肉加工経験を持つローマイヤーは調理場を担当。戦後もドイツに帰国せず、東京帝国ホテルへ就職、東京へと渡りました。当時まだ日本にあまり浸透していなかったハムやソーセージを作ったところ、客や料理人から絶賛されたといいます。
その後独立し、本格的なハム・ソーセージの制作にとりかかり、ローマイヤーは日本の若者にハム製造・匠の技を伝授し続けました。当社の創設者である八木下俊三は、ローマイヤー氏に師事し、匠の技を叩き込まれた中の一人です。
八木下俊三は、後に良質な九州の豚に目を付け、兄弟3人協力して、福岡県八幡市(現北九州市八幡西区)にて創業を開始(1928)。以来ヤギシタハムは、師匠に学んだ伝統の匠の味を、頑ななまでに守りつづけています。 ヤギシタハムが「ローマイヤー製法」「ドイツ風」と言われる所以です。
手作りにこだわる
1920年代当時、ローマイヤーの製法においては、当時あまり価値の高くなかった豚ロース肉を牛腸に詰めて糸を手巻きして体裁を整え製品に仕立てていました。ヤギシタハムは、その歴史的な手づくりの伝統製法を現代までも引き継ぎ、手間隙惜しまず1本1本包み、綿糸で縛っています。こうした手作業が、昔ながらの本物のハムの美味しさを造りだします。包丁で肉を解体・成形し、手作業で塩を擦り込み、10日間程度じっくりと熟成をさせます。仕上げの燻煙も、半日かけてじっくりさせます。そうすることで、炭の遠赤外線で肉に火が入り、美味しくなります。1つの製品が出来上がるまで、実に10日間。ヤギシタハムの美味しさを作るのは、素材であり時間であり…、そして、心と愛情を込めた手作業なのです。
ヤギシタ独自の「塩漬熟成法」とは?
現代では、伝統的なハムの製法でも、注入器も用いて数日で原料の豚肉を塩漬けしますが、当社では自然の漬込みで、マイナス2℃の低温で約1週間、じっくり時間をかけて塩漬液に豚肉を漬けて熟成させます。そうすることにより、自然とアミノ酸が増加し、旨味成分が最大限に引き出され、お肉だけでなく脂身にまで極上の旨みが染みわたるのです。
これほどまでに手間と時間・材料費がかかる製法ですが、手間を惜しまず丁寧に手づくりするヤギシタハムを一度味わっていただくと、上質な肉の質感、とろける脂身の極上の美味しさをきっと感じていただけることでしょう。
工場長からのメッセージ
「おいしい!」お客様のこの一言を聞きたいから、私たちはハムやソーセージづくりに一生懸命取り組んでいます。素材を選び抜き、伝統の技や清潔な設備にこだわり、毎日毎日が真剣勝負です。そして、伝統の味を追求するため、一切の妥協をしません。
味や風味を損なう添加物や保存料を極力使用していないため、賞味期限が短くなっています。届きましたらなるべくお早めにお召し上がりくださいね。
皆さんに喜んでいただけるハム造りのためこれからも頑張ります!
健康への配慮にこだわる
当サイトの商品は「卵」を使用していません。
現在流通しているハム・ソーセージやハンバーグなどの食肉製品の多くは、増量のためや、つなぎとして、製造過程で卵を使用しています。また、牛乳、卵、植物から作った「異種たんぱく」や「たん白加水分解物」を入れ加水増量したハムやベーコンなども日本には多くあります。これらは、より廉価な製品を供給すると言う意味で貢献していますが、アトピーや食物アレルギーなどの原因になりやすいとも言われています。ヤギシタのハムは、「卵」不使用です。
添加物など、余分な物は極力使いません。
現在、流通する加工食品の多くに食品添加物が使用されています。いずれも、長持ちさせるためや彩りを良くするためのものですが、多用しすぎると、食品がもつ本来の味を損なうことになりかねません。また、基準値を下回ったとしても、健康への配慮も見逃すことはできません。ヤギシタハムでは、創業当時から受け継ぐ伝統的な製法にこだわり、製造にじっくり時間をかける製法です。短時間で安く大量に生産するのではなく、添加物を極力最小限にとどめ、誰もが安心して食べられる、美味しいハムを皆様にお届けする。という事を大切に考えたハム造りに徹しています。
※ヤギシタハムは、添加物を最小限におさえて製造しているため、市販の商品に比べて日持ちしません。賞味期限は開封前の期限となっていますので、美味しいうちにお早めにお召し上がりください。
塩分を控えめにしています。
昔、冷蔵庫が一般家庭に普及する以前は保存性を良くするために塩味が強く製造されていましたが、最近は保存環境の向上から塩は少なめ、そして健康志向の高まりからも「減塩」が好まれているようです。
ヤギシタハムも、健康を第一に考え、塩分控えめ。クセのない脂身とちょうどよい塩加減が好評です。
更に、ヤギシタハムでは、長崎県の五島列島・平戸の天然塩を使用しています。塩に含まれる天然のミネラルとニガリ成分が浸透し、肉そのものの旨味を引きだす事で、味わい深くまろやかな風味をお楽しみいただけます。
原料肉・厳選素材にこだわる
おいしさの秘訣、それは何といっても原料肉にあります。主にヤギシタハムの製品に使用している肉は、ハム・ソーセージには良質な国産豚肉を使用。ベーコンには主にヨーロッパ産(デンマーク)の肉を使用しています。
最高の旨味や食感にこだわり、その時期に応じてハム・ソーセージ造りに適した本当に良いお肉だけを、工場長が厳選して使用しています。
伝統の製法と
本物の美味しさを作り出すその秘密
ハム製造工程
「素材肉をさばく」
国産豚肉のロースを吟味して丁寧にさばきます。
「ハムの形に生成」
ハムの形に生成した後、手作業で塩をすり込みじっくり熟成させます。
「燻煙」
桜のチップでじっくり燻煙すると熟成が進み風味が増します。
「スライス」
自動量産方式の機械を使用せず、手動スライサーで丁寧にスライスし包装します。
ベーコン製造工程
「素材肉をさばく」
バラ肉部分を巧みな包丁さばきで成形します。
「塩をかけ、すりこむ」
成形したバラ肉に経験で培われた感で気温や湿度に見合った塩をかけていきます。
「つけこみ」
じっくり寝かせた後、ピックル液に漬け込みます。
「燻煙・乾燥」
炭火と桜チップで燻煙乾燥。出来上がりを見極めながらベーコンへと仕上げていきます。
ウインナー製造工程
「素材肉をさばく」
原料肉を厳選し切り分け、チョッパーで挽き一晩ねかせます。
「腸詰加工」
香辛料などを加えて練った後、天然の羊腸に丁寧につめていきます。
「燻煙」
桜のチップで燻製すると熟成されて旨味が増します。
「パック詰め」
1本1本手作業でパック詰めを行います。
名脇役素材~桜チップ~
くん煙は製品の表面を乾燥させ、くん煙の成分を浸透させるとともに肉の熟成を促進させ香りや 色・光沢を付け風味の向上と貯蔵性を持たせるために行います。
ヤギシタハムのベーコンくん煙で用いる「桜チップ」は、良質な山桜チップです。
最高の香りと風味を引き出すため、煙が一番良 い状態で出る大きさのチップを厳選しています。桜のチップを使用することにより、やわらかい 薫りが楽しめます。
くん煙の際には桜木のチップの「いいにおい」が立ち昇り食欲をそそります。